この冬は寒さ厳しく、諏訪湖に5シーズンぶりに御神渡りが出現しました。
御神渡りは、全面結氷した湖の氷が日中の気温上昇で収縮し亀裂が出来て割れ、夜間の気温低下で氷が膨張した際に、亀裂に沿って氷どおしがぶつかり合い、氷が競り上がる自然現象です。諏訪地方では諏訪大社上社(諏訪市)の男の神様「建御名方命(たけみなかたのみこと)」が、下社(下諏訪町)の女の神様「八坂刀売命(やさかとめのみこと)」の元へ通った恋の道筋と言われております。
1月中旬に寒さが増し諏訪湖が全面結氷し御神渡りの期待が高まりました。しかし、その後寒さが緩み諏訪湖の氷はすっかり解けてしまい、今年もダメかと思った矢先、1月下旬になると寒波到来。諏訪湖は再度全面結氷し日増しに氷厚も増し、亀裂や氷のせり上がりも発生。そして2月1日(木)に御神渡り出現がテレビや新聞で報じられました。
出現が報道されると、諏訪湖周辺は多くの人で賑わいました。中でも、一番の観察ポイントである下諏訪町の赤砂崎には、一目見ようと次から次へと人が訪れ、駐車場は多くの車で埋め尽くされ、県外ナンバーの車も数多く見られました。また、男の神様が氷に降りたとされる御神渡りの起点「下座(くだりまし)」近くの諏訪市上川大橋付近、御神渡りが大きく蛇行する岡谷市湊付近、さらに終点の「上座(あがりまし)」がある下諏訪町高木付近の湖周道路は「御神渡り見物渋滞」が発生しました。私も、一目見ようと赤砂崎へ。一面氷で覆われ雪野原となった諏訪湖表れた一筋のせり上がりはとても神秘的でした。見学に訪れた多くの人が、この自然現象に驚き、神様の恋の道筋を興味深く見入っている様子でした。
また、2月5日(月)には、御神渡りを正式決定する神事「拝観式」が行われました。報道によると、今季の筋を過去の御神渡りの記録と照合し、今年の天候を「前半は不安定、後半は順調」、作柄は「やや良」、経済は「明るい兆しあり」と占ったそうです。
久しぶりの御神渡り出現という明るいニュースに沸いた諏訪地方が、今年は良い年になることを願います。
尚、冬の諏訪湖は白鳥の飛来地としても知られており、こちらも多くの人で賑わっていました。